三頭山

【No.2 三頭山】 日帰り(初心者・初級者向き)
◆紹介コース:標準4時間~5時間、水平移動距離:約8.5m 積算標高差:上り約850m、下り約1,200m
武蔵五日市駅⇒都民の森バス停→鞘口峠→三頭山→三頭山避難小屋→槇寄山→西原峠→大平分岐→仲ノ平→蛇の湯温泉⇒武蔵五日市駅
◆温トレのグレーディング:
コース:★★☆☆☆
体力度:★★☆☆☆
難易度:★☆☆☆☆
温泉魅力度:★★★☆☆
危険個所は特になし。鞘口峠から三頭山山頂にかけて、
奥多摩主脈尾根は北斜面が落ちている箇所と急坂があるので滑落・落石に注意。
山頂から三頭山避難小屋にかけてはわずかな距離だが急な岩場の下りあり。
初心者でも慎重に下れば問題なく通過できるだろう。
また西原峠から先、大平分岐から左手に進むと数馬へ下山できるが、
民家に降りるところで山を削って奥多摩周遊道路を通したため、
登山道が非常に急な崖(50m程)の崩れそうな細い道になっている。
そんなところを下ることになってしまうので、あまりおすすめはできない。
◆百名山データ:日本三百名山、関東百名山、山梨百名山、花の百名山
◆温泉:蛇の湯温泉(日帰り入浴あり) 露天風呂なし。
[泉質]アルカリ性単純硫黄冷鉱泉(訂調整アルカリ性・冷荒金)
[効能]高血圧・動脈硬化・リウマチ・慢性金属中毒症(水銀、鉛、ヒ素など)糖尿病・皮膚病・打撲、骨折、創傷・生理不順など
[源泉温度]10.6℃
※鉱泉の温度だが慢性の病気に効果が高いと、季節ごとに通う常連が多いとか。
蛇の湯の名は「その昔、傷ついた大蛇が河原に湧く湯で傷を癒した」との言い伝えが由来。
◆ベストシーズン:4月~12月上旬。
年によって冬場は残雪が残り、登山道がアイスバーンになっていることがあるため、軽アイゼンは必要。
東京から楽々日帰りで行ける三頭山。
人気の山だけあって、休日ともなれば山頂付近は多くの人で賑わう。
40数年前に初めて三頭山を訪れた時は、ブナの自然林の豊かな森にかこまれたところに
平家の落人と伝えられる合掌民家が点在する静かな部落があり、その後ろに三頭山がそびえ立っていた。
集落のすぐ脇から小さな沢沿いに避難小屋を目指した記憶がある。
今は「都民の森」の開発で自然のバランスが崩れ、斜面の崩壊、沢の水害などによってブナも少なくなってきてしまった。
三頭山は日本三百名山などに選定されていることもあって、トップシーズンはかなりの人出となる。
春から秋にかけての週末は「都民の森」行きの急行バスが運行してるけど、
西東京バスは乗降客の増幅を見越して次々に臨時バスを増便してくれるので満員で乗れないということはおきないようだ。
でも約60分の乗車時間があるので早めに駅に到着して並んでバスを待ち、座っていくことをおすすめする。
「都民の森」のバス停から鞘口峠まではそう時間もかからずに登りきれる。
そこから三頭山を経て西原峠までの笹尾根はトレラン大会「ハセツネ=長谷川恒男カップ」のコースにもなっているので、
トレイルランナーとすれ違うことも多く注意が必要。
三頭山には名前の通り三つの峰がある。三角点は東峰。山梨百名山の標柱は山梨県との県境になる西峰にある。
山頂からは晴れていれば富士山を拝むことも出来る。山頂から南東に伸びる笹尾根は、陣馬山を経て高尾山まで約35kmでつながっている。
この尾根道を10分弱下るとムシカリ峠にある三頭山避難小屋に着く。
ここでほとんどの人が左手の都民の森方面へ戻ってしまうのでその先は静かな山道に。
この笹尾根は戦国時代に甲州側の武田家と関東側の北条家との国境の尾根だったので、
途中の槇寄山(まきよせやま)は武田軍が攻めてくる時の見張りをする山になっていて、
村人が交代で監視に駆り出されていた。そして進軍を見た時には薪を燃やして狼煙をあげるようにしてあり、
常に薪を積み上げていたのだそうだ。これがこの山の名の由来だと聞いた。
槇寄山のすぐ下には西原峠という小さな峠があり、そこから笹尾根を外れて奥多摩のブナの原生林へ下っていく。
とても気持いい道で、時間を忘れてしまいあっという間に仲ノ平に着く。
帰りの温泉は檜原街道を数馬村へ100m程戻ったところにある「蛇の湯温泉 たから荘」。
合掌作りの古民家で、外観も魅力的。日本秘湯の会にも登録される温泉。
露天風呂はないが奥多摩の渓流を見下ろして入る温泉は疲れを癒してくれるのだ。