棒ノ折山(棒ノ嶺)

【No.5 棒ノ折山(棒ノ嶺)】日帰り(初級者向き)
~~春が来たらポカポカ気分でトレッキング。下山後は100余年の歴史ある老舗旅館で名湯を楽しみます。~~

◆紹介コース:
 標準4時間~5時間、水平移動距離:約8.8m 積算標高差:上り約945m、下り約962m
 飯能駅⇒名栗湖入口バス停→名栗湖→白谷橋→岩茸石→権次入峠→棒ノ折山→権次入峠→岩茸石→大松閣→名栗川橋バス停⇒飯能駅
◆温トレのグレーディング:
 コース:★★☆☆☆
 難易度:★★☆☆☆
 温泉魅力度:★★★☆☆
◆百名山データ:【棒ノ折山】関東百名山、日本百低山
 ※http://100meizan.org    で検索可能。
◆温泉:名栗ラジウム温泉 大松(たいしょう)閣  日帰り入浴可。露天風呂別料金プランあり。
 [泉質]低調性アルカリ性冷鉱泉
 [効能]神経痛、筋肉痛、関節痛、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、くじき、疲労回復、冷え性、五十肩、慢性消化器病、痔疾など
 [源泉温度]17〜18℃
◆ベストシーズン:4月~12月上旬。
 冬場の登山道は残雪でアイスバーンになっている所がある。軽アイゼン、またはチェーンスパイクが必要。
◆危険個所
 白谷沢にある短い階段状の岩場を登る鎖場。
 ここは昨年、滑落死亡事故があったところ。足元を見て注意深く登れば問題はない。
 以前はこの沢から枝沢に迷い込んでの遭難事故も多かったが、
 通行止めのロープや道標整備によって迷い込む人も少なくなったようだ。
 また渡渉という程ではないが何度か岩を足場に渡る事をくり返したり、
 ところによっては深い岩場の谷を進むので雨天時や夕立などの際には警戒が必要。
 また岩茸石から権次入峠の急坂にある丸太の階段は階段の土が全て流れてしまい、
 まるで大きなハードルを越えるような状態。(一昨年のことなので復帰してることを望みます)
 酷いところでは脇に回って上り下りをするしかない。急坂を滑らないように作った階段なのだろうけど、
 皮肉な事にかえって登山者を危険な目にあわせている。

東京都と埼玉県の県境にあるため奥多摩側からもアプローチが出来るが、今回はちょっとだけアドベンチャー気分が味わえる沢沿に登る埼玉県側からのコースを紹介。
西武秩父線「飯能」駅からバスで約45分。「名栗湖入口」で下車。緩やかな舗装路を「さわらびの湯」方面へ15分程登る。
時間によっては名栗湖湖畔にある「さわらびの湯」前までいくバスもある。

名栗湖は有間ダムによって出来た人造湖。ダムの堤防を横断し、湖畔沿いに歩くと白谷橋を渡った所に白谷沢への入口がある。
ここから細い登山道に入って沢に下りる。春秋なら沢のせせらぎを聞きながら気持ちよく歩ける道だ。何度か丸太橋や岩を頼りに沢を渡る所もあるが道はよく整備されているので難しい所は特にない。
一ヶ所だけ階段状の岩場に鎖場があるが鎖に頼ると返って危ないので、
あくまで足元を見て鎖は補助として登ること。

やがて沢から離れると東屋がありここで休憩している人も多い。
ここから5分程、急坂を登ると権次入峠。
権次入峠からは山頂までは緩やかで広い尾根。ここまで来れば山頂まではあとわずかだ。

「棒ノ折山」の山頂は青空が広がる広々としたところ。登って来た名栗湖や奥武蔵の山々を眺める事が出来る。
だが残念な事に南側は木々に覆われているため奥多摩側の展望はない。
下山は岩茸石まで戻る。岩茸石を右から巻くように降りると「名栗温泉」への道。
尾根沿いに真っ直ぐに進めば「さわらびの湯」への道。しばらくは九十九折の滑りやすい杉の植林地の急坂を下る。
この道を下る人は少ないようで登山道も柔らかく滑りやすい所もあるのでご注意を。

林道を横断し、しばらく下ると再び林道に出る。
この林道を30分程のんびりと下ると「大松閣」に。
「大松閣」は大正末期に建造された大変凝った木造二階建ての旅館建築で、戦前は多くの文豪で賑わったとか。2001年に発刊された小林泰彦さんの名著「日本百低山」には当時の木造の旅館が描かれている。現在は鉄筋5階建てでその5階に大浴場と屋根付きの半露天風呂がある。
以前は宿泊者しか入れなかった露天風呂などに入れる日帰り入浴プランが幾つかあるので事前に問い合わせて確認することをオススメする。

※僕が棒ノ折山に登ったのは2014年の9月が最後です。交通機関、登山道の状況、温泉入浴などの最新情報は各自で確認をお願いします。


 
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