【奥多摩 鷹ノ巣山】日帰り(初~中級者向き)

~~日本三代急坂に絶対負けない!ヒイハア、ヒイハア、間違いなしの稲村岩尾根3時間。こんなところが東京にあったんだ!急坂チャレンジ。下山は奥多摩湖(小河内ダム)に沈んだ鶴ノ湯温泉へ~~

◆紹介コース:標準7時間30分~8時間30分、水平移動距離:約13.5m 積算標高差:上り約1,550m、下り約1,600m
 「奥多摩」駅⇒東日原バス停→巳ノ戸橋→稲村岩のコル→ヒルメシ食いのタワ→鷹ノ巣山→鷹ノ巣山避難小屋→水根山→榧ノ木尾根分岐→榧ノ木山→倉戸山→倉戸口⇒「奥多摩」駅
◆温トレのグレーディング:
 コース:★★★☆☆
 難易度:★★☆☆☆
 温泉魅力度:★☆☆☆☆
◆百名山データ:【鷹ノ巣山】関東百名山
 ※http://100meizan.org    で検索可能。
◆温泉:鶴ノ湯温泉 丹下堂
日帰り入浴可。入浴料700円(2時間)。奥多摩湖湖畔にある食堂兼民宿?。内風呂からは奥多摩湖は見下ろせない。湯船も小さいが1年を通じて入れるのが魅力。温泉に入った後はバスの時間まで奥多摩で獲れた鹿肉のステーキを食べながらビールを飲むのが最高!空いてます(笑) 
[泉質]単純硫黄泉
[適応症] 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進など
[源泉温度]30.2 ℃
650年以上も前からあった裏甲州街道とも呼ばれた青梅街道沿いにあった温泉。残念なことに60年近く前の小河内ダム建設で湖底に沈んでしまった。10数年前に湖底からポンプで温泉を汲み上げ、周辺の施設にタンクローリーで運んでいる。立派な温泉神社も残っている。
◆ベストシーズン:4月下旬~12月上旬。
◆危険個所
上りの急坂途中にある稲村岩周辺。滑落死亡事故も起きています。慎重に進めば初心者でも問題はありません。鷹ノ巣山から南斜面は滑落などの心配はありませんが道迷いが毎年のように発生しるとのこと。ルートファインディングは慎重に。
◆コース紹介
奥多摩駅から東日原行きのバスに乗車。バスは登山客で賑わうがほとんどが川苔山に登る川乗橋で降りる。その日も終点の東日原で降りたのは僕ら以外には二人だけだった。しばらく車道を進み、日原川に下って簡素な橋を渡って対岸へ。いきなりの九十九折。中学時代に梅雨時の雨の中をこのルートで歩いたことがあった。当時は登山道沿いにわさび田がありわさびの葉が青々と茂っていたことを思い出したが今回はその痕跡さえ見つからない。やがて稲村岩尾根の稜線に上がるための急坂へ入った。しばらくするとその急坂を黙々と登ることとなる。日原川からは標高差400m、1時間かけて稲村岩尾根の稜線。ここは稲村岩のタワと呼ばれるところで稲村岩は左手にある絶壁の大岩。去年ここから滑落して一人の方が亡くなっている。僕らは、寄らずに稲村岩尾根を上る。この先にも九十九折があって再びヒイハアの連続となる。
おお!山頂が見えたぞとギアを切り替えて上がると騙される。そこはヒルメシクイノタワと呼ばれる場所。ここでお昼にしたくなる気持ちも十分にわかるなぁ。ここからもうひと踏ん張り、ふた踏ん張ししてやっと山頂へ。後半が心が折れそうになる急坂だった。
鷹ノ巣山頂からは一気に視界が開けてとても気持ちがいい。山頂には雲取山の山頂と同じでっかい石の標柱が建っている。人の手ではとても担いであげられる大きさではないのでヘリで持ち上げたのだろう。莫大な税金がかかってそうだ。これは税金の無駄使いじゃないのと首をかしげるけど、でもきっちりとその標柱の前で写真を撮ってしまう自分が悲しくなる(´・_・`)鷹ノ巣山は雲取山から続く石尾根にあり、まっすぐ下れば奥多摩駅まで歩くことも可能。展望がよく広い尾根道が続くので気持ちよくて昔から大好きなトレイルだ。雲取山方面へ20分程下ると鷹ノ巣山避難小屋がある。最近の避難小屋はどこも管理人がいるらしく掃除が行き届きていて清潔で気持ちいい。今年、「全面改訂」とうたってる「山と高原地図の奥多摩版」には記載がないが立派なトイレがある。相変わらず適当な地図(笑)
さてここからは石尾根の巻道を使って水根山へ。そこからは石尾根を外れて右側の榧ノ木尾根へ下っていく。気持ちよく南斜面の道。滑落の心配はない。しかし尾根筋の幅が大きく下草もないところも多く、うっかりすると道迷いにはまってしまう尾根だ。後で麓の丹下堂のご主人に聞いた話では数年に一度、迷って他の尾根筋に入ってしまい遭難をし、時には谷に落ちて死亡事故につながることもあると聞いた。カラマツの林を気持ちく歩くと榧ノ木山の山頂へ。ここから左側の尾根へ下る。小さなピークを二つほど超えるとやたらとだだっ広い倉戸山山頂に。ここから先はは正面の尾根にはくだらずに左側に大きく曲がり植林された急坂をジグザグに下る。やがて小河内ダムとなった奥多摩湖が見え始めると温泉神社がある。ここの地名は熱海といい、以前からバスや車で通る度に温泉があるのでは?と思って気になっていた場所だった。改めて調べたら立派な温泉があることを知って何だかとても嬉しくなった。冬場は閉じてしまう温泉旅館や民宿が多いが丹下堂は年中営業を続けている。道路沿いのトンネルの脇でクルマは数台がやっと止まれるスペース。そこが日帰り温泉が可能な「鶴の湯温泉」丹下堂。今は湖底となった小河内ダムのそこから温泉を汲み上げ、タンクローリーで運んできているという。この小河内ダムが出来なければこの鶴の湯温泉界隈も繁盛していたのかもしれない。そう思うとちょっと切なくなる。奥多摩町でも鹿害が問題となっていた。昨年、射止めた鹿を有効利用するために鹿肉処理場をつくり地元の店で様々な料理にしてもてなすようになった。丹下堂には鹿肉ステーキがある。バス停まで200mもないので時刻表をしらべておけば、温泉に浸かり、ビールと鹿肉を時間ギリギリまで堪能することが出来る。奥多摩駅にはバスで約20分だ。

※僕が鷹ノ巣山に最後に登ったのは2016年の年末です。交通機関、登山道の状況、温泉入浴などの最新情報は各自で確認をお願いします。

一般社団法人 日本百名山協会 事務局長、温泉ソムリエ、温トレ・マスター 加藤洋

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